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能と間

長島 舞果

 

私が能を観るときに注目しているところは「間」です。これは観るというより感じるといったほうが良いのかもしれません。意識しなくても見える能面や装束とは違い、その空気を楽しむということなのでちょっと分かりにくいでしょうか?

能には能にしかないものがたくさんあります。面や装束はもちろん型や立ち振る舞いなど、ほとんどすべてが古来より伝わってきたものそのままです。その中で目に見えないのに感覚としてずっと伝えられているもの…それが間だと思います。能独特のゆっくりとした動きの合間に見えない間があると思うのです。上手く言えないのですが、演者が次の動きに入る前の一瞬、時が止まるというのでしょうか。しかしその一瞬がなく次の動作に移ってしまったら、あの幽玄といわれている独特の雰囲気が出せないと思います。この間があるからこそあの動き・雰囲気が成り立つのです。

私がその間に注目している理由はそれを感じることが出来たときに「あ、いま能の世界にいるんだ」と実感することができるからです。では具体的にどの場面がその間なのか…それを説明するとなるとかなり難しいです。なぜなら間というのは自分自身で感じるものであり、他人から強制されるものではないからです。でもどうしてもと言われれば1つだけ紹介しようと思います。しかしこれは一個人としての考えであることを忘れないでください。

お調べが終わり、囃子方・地謡が舞台に出てきます。何もかもが整い、いよいよ甲高い笛の音で物語が始まる…。この時です!!!この囃子方と地謡が舞台に出そろって、笛が鳴り響く前の一瞬!ここに例の間があると思います。この間によって、舞台上や能楽堂の空気が変わると思うのです。そして私はこの一瞬の間が大好きです。この間を感じることができれば、幽玄といわれている世界により入り込めるのではないでしょうか。

先ほども申しましたが、これはあくまでも私個人としての楽しみ方です。このほかにも素敵な間はたくさんあります。それを具体的な言葉にできないのは残念ですが、まだまだ勉強が足りないということなのでしょう。最後に、普段私たちが聞いている音楽の中に自分の好きなパートってありませんか?それと同じように皆さんにも能の中にも自分の好きな場面・瞬間を見つけてほしいと思います。そうすればまた違った角度から能が観られるかもしれませんよ。